鋼構造建物では柱梁接合部においてH形鋼梁のウェブとフランジの両方を柱に固定して剛接合とする場合とウェブのみを固定してピン接合とする両方の場合があります。剛接合される柱梁部材では構成される架構(以下「耐震架構」)は地震力をはじめとする水平力を負担します。一方で,ピン接合される柱梁部材では構成される架構(以下「長期架構」)は主として鉛直荷重のみを支持します。日本の設計では,多くの柱梁接合部を剛接合として,ほぼすべての架構を耐震架構とするのに対し,欧米を中心とする諸外国では,剛接合部を限定的に用い,ピン接合部を多用して,耐震架構と長期架構を分離するのが一般的です。このような鉄骨構造の耐震架構配置や使用部材等の相違が耐震性能や鋼材量に及ぼす影響に関して分析を行っています。現在、構造形態にも着目して分析を進めています。