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鉄骨架構の耐火性能に関する研究

鋼構造建物の鉄骨梁やスラブの潜在的な耐火性能に関する基礎研究を行っています。 鋼材は,熱伝達率の高さから火災などの加熱による温度上昇が顕著であり,高温時の強度や剛性の低下が著しい材料です。 我が国における鋼構造建物の耐火設計では,主要構造部材に耐火被覆を施し部材の温度上昇を抑えることで,火災時に被災者の避難が可能となる建物崩壊までの時間を確保することが求められています。 一方,国内外の研究では,鋼材の部材単位での耐火性能は低いが,スラブや鉄骨梁を含めた鋼構造架構には潜在的な耐火性能が存在していることが示されています。火災によって架構がたわむと,そのたわみによって梁のカテナリー効果(懸垂線効果)やスラブの膜作用効果が発生し,一定の耐力を保持することが出来ます。 これらの知見から,高木研究室では小梁や大梁の耐火被覆を省略した設計手法の確立を目指し,主に解析的な手法によって鋼構造建物の火災高温時挙動を評価しています。これまでに鉄骨梁,スラブ,床架構の解析モデルを作成し,また小梁接合部の加熱実験を行うことで,火災高温時の挙動評価や耐火性能を向上させる工法の可能性を検討してきました。

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論文紹介

下記リンクよりダウンロードできます。

▼2015年
 「鋼構造床架構の火災高温時の大変形挙動解析」
 日本建築学会構造系論文集第768号,pp287-297,2020.2 [PDF]