免震構造建物は設計地震動に対して上部構造物の応答加速度,免震層の応答変位,個々の免震装置に作用する軸力などが設計条件に納まるように設計されます。支承とダンパーの種類は多く,免震装置の組み合わせを決める作業は時に困難を伴います。応答の評価には等価線形化法や時刻歴応答解析などが用いられますが,それらの結果の差は大きい場合があり,複数の入力地震動に対して,設計制約を満足する支承とダンパーの経済設計のために試行錯誤が繰り返されることが多いです。免震部材の最適配置手法として遺伝的アルゴリズムを応用した多目的最適化手法などがあげられますが,本研究室が知る限り,支承とダンパーの両方に対して,それらの種類と仕様を同時に設計変数とした設計手法の提案はなされていません。異種の免震部材それぞれのサイズを最適化する際,種類の変化とサイズの変化の効果は全く異なり,局所探索によって細かいルールの設定が必要になります。そこで本研究室では,局所探索を用いて時刻歴応答制約を満足する免震構造建物の異種免震部材の組合せ最適化の研究を行っています。